前回の続きです。
彼女は、さらに条件のいいところを求め、有名店にオーディションを受けに行きました。
「あなた、いくつ?」。
選考する男の目は、まず「見てくれ」に集中します。
値踏みする視線は、下から上へ。
ジロジロと顔をみた。
今まで来た歌手で年が一番上だったのは27歳だった、という。
歌姫は、あたりを見回した。
試験の順番を待つのは、ほとんどが若い女の子だ。
華やかなデビューを夢見る娘たち。
自己顕示欲ではちきれんばかり。
「これまで、何してたの?」「お母さん、やってました」「何で来たの?」「主婦業、あきたから」はすっぱな言い方だな、と思うのでした。
でも、そんなふうに突っぱらなければ、若さとの競争にひるむ自分の気持ちに負けてしまう、と思ったのです。
続く・・・・