乳頭山の西麓、先達川の渓谷沿いには「妙ノ湯」、「蟹湯」、「大釜」、「孫六」、「黒湯」、「鶴ノ湯」、そして比較的新しい「国民休暇村」という7つの温泉が点在し、それを総称して「乳頭温泉郷」という。
ここで鶴ノ湯に次いで古く、人気の温泉が黒湯。
川沿いに湯畑があり、湯気と硫化水素臭の歓迎を受ける。
ここに湯畑があったので建屋したのであろう、もうもうと立ち込める湯煙の中に、あたかもうかびあがったような温泉郷といったイメージだ。
白い湯なのに黒湯と呼ぶ由来は不明であるが、私が黒湯と聞いてすぐに連想するのは、建物が古色を帯びてあまりに黒いこと。
白い湯と黒い建物とのコントラストが絶妙で、逆に印象にも残るうまいネーミングではないだろうか。
また黒湯の名物は打たせ湯。
枝のついたままの白樺の丸太を柱につかった半露天風呂や、曲がった木を生かした木樋の打たせ湯は素朴な味わいがあり、使い込まれた年輪を感じさせる。